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スタッフコラム

2021年7月21日 デジタル化は「価値観の見直し」が不可欠

 新型コロナは、中小企業がデジタル化への意識を高めるきっかけとなりました。働き方改革や業務効率化をはじめ、新たな生活様式に対応したテレワーク、リモート会議や営業などに取り組む企業が増えてきています。
日常業務では、今後、現金管理のキャッシュレス化、消費税・インボイス制度導入による請求書のデジタル化などが一気に進むことが予想されます。また、年末調整手続の電子化も本格化します。
一方で、デジタル化によって組織や業務の仕組みをどのように変えていくのか、目的・目標が不明確であるといった課題も見えてきました。その背景には、アナログな文化・価値観が根強いことがあり、「テレワーク中の社員が書類へ押印するために出社する」などがその一例でしょう。
デジタル化を進めるには、アナログ型の業務プロセスを根本から見直して、いかに効率よく、生産性を高めるプロセスに変えるかといった視点を明確にする必要があります。それには、新たな価値観を醸成する必要があり、全社的な意識改革が不可欠となります。
まず、経営者が企業全体のデジタル化に向けた方針を明確に示し、全社一丸となって推進することで、よい成果を生みだすことができるでしょう。


2021年7月14日 ワクチン休暇の導入を検討してみましょう

  新型コロナウイルスのワクチン接種にあたり、企業が「ワクチン休暇」を導入する動きが広がっています。その理由として、まず、従業員は平日の日中に接種することが難しく、週末や就業後に接種希望が集中すると接種が進まなくなること。接種当日・翌日に、注射部分の痛み、疲労、頭痛、筋肉痛、関節痛、悪寒、下痢、発熱などの副反応の症状が現れる可能性があるためです。
ワクチン休暇は、法定の有給休暇とは別に、従業員がワクチンを接種しやすいよう接種日や、副反応の症状が現れたときに特別の休暇を認めるものです。
ワクチン休暇には統一のルールがなく、企業ごとの判断によりますが、例えば、「特別有給休暇」として、1回の接種につき、1日または時間単位での特別有給休暇の取得、副反応の症状が現れた場合には、追加で特別有給休暇を取得できるようにしている例が多いようです。
また、勤務時間中のワクチン接種を「勤務扱い」とする企業もあります。
既存の「年次有給休暇制度」の活用では、強制的に有給休暇を取らせることになり、「欠勤扱い」とした場合には、従業員からの反発(給与が減るなど)もあるため、ワクチン接種が進まなくなるおそれがあります。
ワクチン休暇の検討をしてみてはいかがでしょうか。


2021年6月21日 源泉所得税の徴収漏れや納付忘れに注意!

源泉所得税は源泉徴収を行った月の翌月10日が納付期限です。期限までの納付を怠ると、延滞税や不納付加算税などが課せられます。納付忘れ、口座振替の場合は口座残高に注意しましょう。
「源泉所得税の納期の特例」の適用を受けている会社の1月~6月分の納付期限は、7月12日(月)です。
また、正社員以外の方からの源泉徴収漏れがよく見受けられます。税務調査でも指摘されるところなので注意しましょう。


〇パート・アルバイトであっても、税務上は原則として、正社員と同様に源泉徴収が必要です。例外として、源泉徴収が不要となるのは以下の場合です。
・1か月の収入が8万8,000円未満の人(扶養控除等異動申告書の提出あり)
・日給9,300円未満の日雇いや短期アルバイト等(雇用契約期間が2か月以内)
・扶養控除等異動申告書を提出しているアルバイト等のうち、月給または日給が一定額未満の人(扶養親族の数によって一定額が異なります)。


〇建設業などの一人親方(個人事業者)への外注費が給与と判断され、源泉徴収漏れの指摘を受けることがあります。判定は、請負契約か雇用契約かによりますが、判断が難しいため、請負契約書、外注先が発行する請求書、代金の領収書などを必ず整理・保存しておいてください。



2021年6月11日 現代にも通じる山田方谷の財政改革

  山田方谷(1805-1877年)は、備中松山藩(現在の岡山県高梁市)の家老として、10万両の借金を抱えて財政危機にあった同藩を立て直した人物です。彼の改革は、藩の支出を削減、借金の返済猶予、新事業による収入増など、現代の企業再建にも通じる対策をとっていました。

①身を切る改革によって歳出を削減
  歳入3万両に対して歳出が5万両という収支の改善のために、家中に贅沢禁止令を出し、さらに藩士の俸禄(給与)を減額するなど、支出の削減を図りました。改革に対する家中の反発もありましたが、藩主と方谷自らが木綿の衣服と質素な食事で範を示すことで、改革を断行しました。
②藩の再建計画を示して借金の返済猶予を交渉
 10万両の借金返済については、貸主である大坂商人のもとに出向いて、帳簿をもとに藩の実収入や窮状を正直に説明したうえで、藩の再建計画を示して、50年の返済猶予をお願いしました(実際は8年で完済)。
③新事業の立ち上げによる収入増
 方谷は、領内で産出される良質の砂鉄を使った刃物、鍋、鍬、鎌などの鉄器や、たばこ、茶、和紙などの生産を領民に奨励し、製品を藩で買い上げ、藩自らが江戸で販売し、利益を上げることで歳入を増やしました。
【参考図書等】『入門山田方谷』(山田方谷に学ぶ会著、明徳出版社)、高梁市ホームページ


2021年5月13日 日々の正しい記帳は経営のため

 新型コロナに関連した給付金の受給申請や融資申込みの際、売上や資産・負債等の状況を証明する書類や記録を、すぐ準備できずに申請等に手間取った企業もあれば、必要書類をすぐ準備してスピーディーに申請等を行った企業もあります。
また、今回のような緊急事態下では、日々の正しい記帳に基づいて作成された会計帳簿の重要性もクローズアップされました。
 日々の記帳は、税務申告や金融機関への報告のためだけに行うものではなく、本来は、自社の経営実績を正しく知るために行うものです。
毎日の取引が正しく記録された会計帳簿は、正確な経営データとして経営判断の基礎となり、月次決算体制を構築すれば最新の業績をいち早くつかみ、経営上の問題にすぐ対応することが可能です。近年は、IT化によって事務の省力化も大幅に進んでいます。
 日々記帳を行い、記帳水準を高めることは、適正な税務申告や金融機関からの信頼性の向上のみならず、経営を可視化し、経営課題への対応力を高める上でも重要なのです。          


2021年5月6日 二極化するコロナ禍での消費・企業収益

  「2020年家計調査」(総務省)によれば、1世帯(2人以上世帯)あたりの消費支出は月平均27万7,926円(年間333万5,114円)、実質値で前年比5.3%の減少と、比較可能な2001年以降最大の下げ幅となりました。
 ご承知のことですが、コロナ禍での外出自粛の影響が大きかったレジャー・旅行、外食関係は、パック旅行費(7割減)、鉄道運賃(6割減)、航空運賃(8割減)、外食の飲酒代(5割減)と大きな下落となっています。その一方で、「巣ごもり消費」を反映し、ゲームソフトやパソコン(3割増)、テレビ(2割増)、家飲み用飲酒代(1割増)は増加するなど、消費の二極化が見えます。
 二極化の傾向は、上場企業の決算にも表れています。鉄道・航空などの運輸業やサービス業は業績が落ち込み、テレワークの普及等によって電気機器や情報・通信関連では、業績見通しを上方修正する企業、過去最高益を記録する企業もあります。また、新しい生活様式にマッチしたサブスクリプション(定額制サービス)やインターネット通販、密にならないレジャーとしてゴルフやキャンプ関連用品などでも業績が伸びています。
 急激な環境変化においては、新たな消費者ニーズが生まれます。そのニーズにマッチした商品・サービスを開発できれば勝ち組に回ることが可能です。「コロナ禍での新しい生活様式において何ができるか」を検討してみましょう。


2021年4月14日 相続税・贈与税の課税方法を将来的に見直しへ

高齢層が保有する資産を若年層へ早期に移転させ、消費の活性化や子育ての負担軽減を図ることを狙いとした「子・孫への教育資金や結婚・子育て資金の一括贈与の非課税制度」ですが、富裕層の節税対策として利用されているとの批判がありました。そのため令和3年度の税制改正において、適用期限の2年延長(令和5年3月末日まで)とともに、節税目的の利用を防止する見直しが行われました。

〇教育資金の一括贈与において、結婚・子育て資金の一括贈与と同様に、贈与者が亡くなった時点での贈与資金の残額は、すべて相続税の課税対象となる。

〇教育資金、結婚・子育て資金ともに、受贈者が孫の場合は、相続税額の2割加算が適用される。
現在の相続税・贈与税の仕組みでは、生前の贈与と死後の相続を組み合わせることで税負担を軽減できるため、資産格差の固定化が懸念されています。
令和3年度与党税制改正大綱では、今後の資産課税の方向性として、資産の再配分機能を確保しつつ、若年層への早期の資産移転を図るため、諸外国の例を参考に、相続税と贈与税をより一体的にとらえ、現行の暦年課税制度や相続時精算課税制度の見直しを検討するとしています。
実際の改正は、先のこととなりますが、生前贈与を含めた長期的な対策を考えているのであれば、将来の改正の可能性を踏まえた検討が必要となるでしょう。


2021年4月6日 月次決算を継続して苦境に強い経営をめざしましょう

 経営者が経営判断を迅速かつ的確に行うためには、自社の経営成績や財務状態をタイムリーに把握しておく必要があります。コロナ禍において、先行きの見えない状況が続くなか、月次決算によって自社の変化を客観的な数字をもって分析していた経営者は、その意義を再認識されたのではないでしょうか。
 月次決算のメリットは、自社が抱えている強みや弱みを具体的な数値としてとらえることにあります。

今月は「いくら赤字(黒字)だったのか」「手元資金はどれくらい残っているのか」「借入金の残高はいくらなのか」等の現状を見える化し、さらに、経営計画や前年比との対比分析によって問題点を洗い出し、次なる打ち手につなげることができます。
 月次決算体制を構築し、月次試算表や決算書をスピーディーに金融機関へ提供すること(TKCモニタリング情報サービス)によって、金融機関の評価・信頼性が高まるため、融資の相談がスムーズになります。

また、各省庁や自治体の助成金・補助金の手続の際、慌てて決算書を用意することもなくなるとともに、年次決算や確定申告の負担を軽減することもできます。
 月次決算は、継続し情報を蓄積することによって相乗的な価値が生まれます。激動の時代だからこそ、状況に応じた迅速な意思決定のために、今後も継続していきましょう。


2021年3月23日 新型コロナ対策などの「第3次補正予算のポイント」

 第3次補正予算が1月28日に成立しました。中小企業の業態転換への補助など新たな資金支援策等が盛り込まれています。

(1)信用保証制度の新設・拡充~制度融資の保証料を補助~
 新型コロナの影響を受けた事業者が、制度融資を利用する際の保証料の一部を補助する制度を新設。また、「経営改善サポート保証」の据置期間を5年に延長したうえで、保証料の一部を補助する制度に拡充。

(2)「事業再構築補助金」の創設~業態転換・事業再編を支援~
 新事業分野への進出や業態転換、事業再編等に意欲的な中小企業に補助金を支給。売上減少や、認定支援機関等との事業計画策定など、一定の要件を満たすことで、最大6,000万円を補助(中小企業・通常枠の場合)。

(3)生産性革命推進事業の特別枠の継続
 引き続き「ものづくり補助金」「持続化補助金」「IT導入補助金」において、対人接触機会の減少や感染防止対策、テレワーク導入のための設備投資を支援する特別枠を設ける。

(4)日本公庫を通じた資金繰り支援~金利の引き下げ・低金利融資の実施~
 新事業やビジネスモデルの転換等の設備投資を実施する際の金利を、貸付後当初2年間0.5%引き下げ。また、事業再生や事業承継を実施する事業者、生産性向上に向けた取り組みを行う観光産業等を営む事業者に対して低金利融資を実施。


2021年3月15日 いまこそ積極的な「対話」を心がけましょう

 コロナ禍における新しい日常で、社内でのコミュニ―ションが減ってきていることと思います。感染拡大防止のため、マスク着用、つい立(仕切り板)の設置、テレワークやシフト勤務、懇親行事の自粛など、これまで当たり前に行われていた社員同士の会話の機会が失われています。
昨年4月の緊急事態宣言では、中小企業においても一部テレワークを導入しましたが、根付かずに出社を余儀なくされた企業も多かったといいます。その要因を東京商工会議所の調べによると、「社内のコミュニケーションが取れなかった」ことという意見が多くありました。
ほかにも仕事柄できないなどの実務的な要因もあるでしょうが、いずれにしてもコロナ禍においては、テレワークとは関係なく、コミュニケーションが不足していることと思われます。コミュニケーションの不足は、助け合いの意識が薄くなったり、連携が悪くなったりします。
コミュニケーションが活発化すると、それぞれが抱えていた課題や問題が共有され、その解決が図られ、効率化や業績向上につながっていきます。
まずは、会話の機会が減っている現状を認識し、話す内容は業務以外の何気ないことでもよいので、WEB会議の後で言葉足らずの部分を電話でフォローするなど、従業員と話す機会(従業員同士を含め)を積極的に見つけ、対話を心がけましょう。


2021年2月15日 本決算の準備は早めにしておきましょう

 3月に本決算を迎える企業も多いと思います。決算に際して、事前に準備や確認すべき事項がいろいろありますが、次の事項には特に注意を払いましょう。
 

(1) 決算期末日に現金残高と預金残高が帳簿残高と一致するか確認する必要があります。現金は現物と帳簿残高を照らし合わせ、預金については金融機関から残高証明書を取り寄せて当座預金の残高と突合しましょう。

(2) 実地たな卸を行い、商品、製品、仕掛品等の在庫数を調べます。また、固定資産(機械・車両・備品等)についても、現物と固定資産台帳とを確認しましょう。

(3)有価証券(株式や債券、手形、小切手、切手、収入印紙など)もたな卸を実施しましょう。特に切手や収入印紙は、現物と帳簿残高の確認を行い計上漏れにも注意する必要があります。

(4)得意先に売掛金の残高確認書を送付し、残高を確認してもらいます(この機会に滞留債権の回収にも努めましょう)。

(5) 取引先から早めに仕入や未払金の請求書を入手するとともに、決算期末日までの仕入と売上を確定します。

2021年1月18日 令和3年度与党税制改正大綱が決定

 与党の税制改正大綱が決まりました。令和3年は、デジタルトランスフォーメーション(DX)、脱炭素へ向けた投資促進税制の創設やデジタル化の推進などウィズコロナ・ポストコロナを見据えた施策を税制面で支援する内容が目立ちます。中小企業に関連した主な項目は次の通りです。


〇設備投資減税の延長など
 ・一定の機械装置等について、30%の特別償却または7%の税額控除ができる特例(中小企業投資促進税制)が2年延長される。
 ・経営力向上計画に基づく設備投資について、即時償却または10%の税額控除  ができる特例(中小企業経営強化税制)が2年延長される。

〇年 800 万円以下の所得金額に適用される法人税の軽減税率の特例(15%)の適用期限が2年延長される。

〇令和3年度に限り、固定資産税の税額が増加する土地については前年度(令和2年度)の税に据え置く特別な措置が講じられる。

〇中小企業の株式の取得後に簿外債務、偶発債務等が顕在化するリスクに備えるために準備金を積み立てたときは、損金算入が可能となる。(中小企業の経営資源の集約化に資する税制の創設)

〇電子帳簿保存法の見直しとして、所事前承認制度が廃止される他、スキャナ保存制度のタイムスタンプ要件について、付与期間が現行の3日から記録時間の入力期間(最長2か月以内)に緩和される。


2021年1月12日 「固定資産税・都市計画税」の減免措置の申請をお忘れなく

 新型コロナウイルス感染症によって事業収入が減少した中小企業を対象とした固定資産税・都市計画税の減免申請の申請期日が近づいてきています。これは事業収入の減少額に応じて、固定資産税等が全額または半額減免される特例措置です。下記の内容を確認し、対象となる場合は積極的に活用しましょう。


〇対象者・軽減率
 2020年2~10月の任意の3ヶ月の売上が前年同期比30%以上減少した場合は1/2に軽減、50%以上減少した場合は全額が免除される。
〇減免対象
 事業用家屋(土地は対象外)及び設備等の償却資産に対する固定資産税等。
〇提出書類
 各自治体の定める申告書、前年の青色申告書、会計帳簿、特例対象資産の一覧表など(自治体に申請する前に、税理士などの認定経営革新等支援機関等へ書類を提出し、確認を受ける必要があります)。
〇提出期日
 2021年1月31日(※申請先の自治体へご確認ください)


2020年12月24日 「ウィズコロナ時代」だからこそ大切にしたい職場のコミュニケーション

テレワークやソーシャルディスタンスなどが推奨されている一方で、これまでのように従業員同士が顔を合わせて会話をする機会が減少しています。「社内に活気がなくなった」「意思疎通が上手くいかない」などと感じている経営者も多いのではないでしょうか。

従業員同士のコミュニケーション不足という職場環境の変化が、実際の業務上の問題につながる可能性もあり、注意が必要です。たとえば、「報告・連絡・相談」についても、今は従来どおりにできる環境にありません。その仕組み、内容等を時代にあった形で見直すことが必要となっています。

コミュニケーションで重要になるのは個々人のちょっとした心掛けではないでしょうか。部下は、上司への報告や連絡、相談をする際、「どうすればわかりやすく伝えられるのか」「どうすれば業務に支障が出ないようにできるのか」を強く意識する。そして、上司は、部下の良き相談相手として単に業務上の報告等を受けるだけでなく、「何か気になることはないか」「困っていることはないか」など、メンタル面を含めてフォローする。コミュニケーションがなかなかスムーズに進まない今、こうしたことがこれまで以上に大切になっているのかもしれません。

2020年12月17日 環境変化に合わせて経営革新した大企業からヒントを学ぼう!

世界的に有名な企業も、かつては苦しい時代を乗り越えてきました。

ヤマハは、世界No.1のシェアを持つピアノメーカーですが、バイクやモーターボートの製造でも知られています。戦時中、国からオルガンやピアノの製造で培った木工技術を買われて、軍用飛行機用プロペラの製造を請け負います。戦後、当時の川上源一社長がプロペラ製造に変わる新たな仕事を模索する中、本田技研のエンジン工場を見学し、プロペラの工作機械を使ってバイクのエンジンをつくることを思いついたことが、現在の発展につながっています。

また、世界的タイヤメーカーのブリヂストンは、足袋の製造からスタートしたことをご存じでしょうか。第一次大戦後の世界恐慌のなかで、石橋正二郎社長は、当時まだわらじ履きだった労働者が釘やガラスで足を怪我することを防ぐため、足袋の底に強度の高いゴムを貼ることをひらめきました。これが、ゴムの世界を極めるきっかけとなりました。当時、日本にはタイヤ製造の会社がなく、国内シェアを外国資本に奪われることを危惧した石橋社長は、タイヤ事業に着手。世界恐慌の渦中、わずかな仕様書を頼りに国産タイヤの開発に成功しました。

自社の持っている技術を新たな商品づくりに展開した参考例といえるでしょう。「新たな何か」への展開を考えてみてはいかがでしょうか。

2020年12月10日 中小企業の景況観に回復の兆しが見えてきました

中小企業基盤整備機構の「中小企業景況調査(2020年7-9月期)」によると、企業の景況感を示す業況判断指数は、緊急事態宣言の発出の影響を受けた前期(2020年4-6月期)に比べて大幅に回復しました。経済活動の再開により景況観に若干の改善が見られたことが予測されます。

全産業の業況判断指数は▲34.1%で、依然マイナス幅は大きいものの、前期(▲64.1%)と比べて30ポイントの増加と、改善傾向が見られます。新型コロナの影響を大きく受けたサービス業でも、飲食業▲32.2%(前期差59.7ポイント増)、宿泊業▲44.3%(前期差55.9ポイント増)と回復しています。また、美容室や不動産業などの個人向けサービス業(生活関連)についても▲34.2%(前期差39.4ポイント増)と回復基調にあります。

サービス業を営む経営者からは、インバウンド需要が戻らないことや、借入金の返済に対して不安視する声がある一方、「自治体のキャンペーンによって例年よりも利用客数が増加した」「ステイホームによって惣菜や食品の販売が伸びている」などの明るい兆しをうかがわせるコメントも見られました。

まだまだ厳しい経営環境は続きますが、そのなかで「ウィズコロナ時代」に対応した取り組みが中小企業に期待されます。

2020年11月17日 ウィズコロナ時代! となりの会社はどんな取り組みをしているの?

全国の中小企業を対象に大同生命保険株式会社が実施した「ウィズコロナ時代の新しい取り組み」のアンケートによると、58%が新型コロナウイルス感染症拡大を機に、新しい事業に関する取り組みや工夫を「実施または検討している」と回答しています(2020年7月調査・回答12,892社)。


具体的には、「顧客・取引先向けのソーシャルディスタンス対応(37%)」が最も多く、「顧客・取引先とのやりとりのペーパーレス化(16%)」「キャッシュレス(電子)決済の導入(12%)」など、多くの企業が、非対面・非接触型の営業対策に取り組んでいることが見て取れます(複数回答)。


また、「インターネットからの受注等、販売チャネルの変更(19%)」「異業種との業務提携による事業の多角化(13%)」「商品の販売先・ターゲットの変更(11%)」など、販路の見直しや、新たな事業にチャレンジしている企業もあります。
新型コロナの影響が長期化する中で、これからの事業展開を見つめ直すことが重要になっています。

2020年11月11日 年末調整の準備は早めに進めましょう~今年から申告書様式が変わります~

年末調整は、本年最後の給与を支払うときに行いますが、経理担当者の方は、以下の点に注意し、早めの準備によって計画的に進めましょう。


〇令和2年分の年末調整では、「基礎控除申告書」「配偶者控除等申告書」「所得金額調整控除申告書」の3つの申告書が1枚の様式になります。申告書の記載(提出)について、従業員に周知しておく必要があります。


〇従業員に、年末調整で受ける各種の控除に必要な控除証明書(※)が手元に届いたら、保管・整理することを伝えます。

※生命保険料控除証明書、地震保険料控除証明書、社会保険料控除証明書、住宅ローンの年末残高証明書など

○配偶者や子にパート・アルバイト収入がある場合の「収入(所得金額)」の記載については、例年、金額の誤りが多く見受けられます。よく確認するよう注意を促しましょう。

○従業員からの申告書類の提出期限を早めに設定し、記入(提出)のもれや誤りなどがないかをチェックします。様式変更に伴いチェックが大切になります。

2020年10月14日 新型コロナ 大幅な売上減少も、事業承継税制の「災害特例」が適用可能!

事業承継税制は、経営承継円滑化法の認定を受けた中小企業者等において、現経営者から後継者へ自社株式等を贈与・相続した場合に、一定の要件のもと、贈与税・相続税の納税が猶予され、後継者の死亡等によって納税が免除される制度です。一般措置と特例措置(特例事業承継税制)があります。


 認定中小事業者等において、地震・風水害等による被災、又は新型コロナウイルス感染症による売上の大幅な減少があった場合には、都道府県知事の確認のもと、一定の要件を満たせば、「災害特例」が適用され、以下の措置が受けられます。
(1)認定申請時に、次の認定要件を免除
  ①資産管理会社(資産保有型会社・資産運用型会社)に非該当の要件
  ②承継時の雇用80%維持(一般措置の場合)
  ③後継者の直前役員承認要件(災害後1年以内の相続に限る)
(2)事業継続期間における次の事業継続要件を免除・緩和
  ①資産管理会社(資産保有型会社・資産運用型会社)に非該当の要件
  ②雇用確保要件

2020年10月7日 コロナ禍での売上を小さな単位で検証してみよう

コロナ禍の約半年間、売上が大幅に落ち込んだ企業もあれば、2~3割減で持ちこたえた企業など、業績への影響は様々です。


今後、新型コロナの影響は長期化することから、売上の内容を検証し、今後の営業活動に活かすことが重要です。その際、売上の内容を以下のような小さな単位で捉えてみましょう。新たな気づきがあるかもしれません。


【商品・サービス別】…売上が、伸びたもの、減少したもの、影響を受けなかったものなど、商品・サービスごとに売上の変化を見てみましょう。
【顧客(得意先)別/営業エリア・地域・支店・営業所別】…同じ商品・サービスでも、顧客ごとや地域・営業所ごとに売上や売れ筋に違いがあれば、その要因を考えてみましょう。
【小売業・飲食業・サービス業における店舗別】…繁華街、商業地、駅前、郊外などの立地の違い、曜日や時間帯、客層などによる売上の変化はないでしょうか。店内と持ち帰りでの採算性などにも注意しましょう。
 以上は一例ですが、小さな単位で分析し、売れ筋、採算性、コストなどを踏まえて検証しつつ、今後の業績向上に活かしましょう。

2020年9月9日 売掛金の管理と回収に注意しよう!

コロナ禍で多くの企業が厳しい状況にあり、売掛金の入金遅れが予想されます。

予定していた入金がなければ、自社の資金繰りに支障をきたす場合も出てくるでしょう。現在のような状況だからこそ、売掛金への対応を確認しておきましょう。


(1)売掛金の回収状況を常にチェックしていますか?
未入金や請求金額の一部のみの入金の場合には、得意先に理由を聞き、入金を催促しましょう。これは、相手方に対して、回収姿勢がきちんとした会社であることを印象付けることにもなります。

(2)回収遅れの得意先を重点管理していますか?
売掛金を発生日ごとに分析しましょう。約定どおりに入金されていれば問題はありませんが、入金遅れの長期化は、回収可能性が低くなります。以下のようなケースは注意が必要です。

①入金が2~3か月遅れている。
入金が遅れている理由を相手先に確認します。自社のクレーム対応や請求ミスなどが原因になっていることもあるため、営業担当者にも確認しましょう。

②6か月以上滞留している。
得意先に深刻な事態が起きている可能性があります。得意先に問題があるにしても、放置していた自社にも問題があります。回収遅れが長期化している得意先と営業担当者を調べ、早期に対応しましょう。

2020年9月1日 事業承継時の経営者保証解除に向けた支援策が拡充されています

経営者の高齢化が進むなか、後継者へのスムーズな承継を進めるために、これまで政府は様々な支援策を打ち出してきました。例えば、事業承継時の贈与税・相続税の負担を実質ゼロとする特例事業承継税制の創設などがその一つです。
一方、経営者保証によって、将来的に多額の債務を負う可能性があることが、現状においても事業承継の大きなネックとなっています。そのため、経営者保証を可能な限り解除するように、金融機関と中小企業の双方の取り組みによって事業承継を促す対策が実施されています。


①商工中金は、「経営者保証ガイドライン」の徹底により、一定の条件を満たす企業は、原則無保証とする運用を開始(令和2年1月から)
②信用保証の一般枠(2.8億円)の範囲内で、新たに事業承継時の経営者保証を不要とする信用保証制度を創設(令和2年4月から順次開始)
③現経営者と後継者の両者に経営者保証を求めること(二重徴求)を原則禁止した「経営者保証ガイドライン特則」を策定(令和2年4月から運用開始)
④令和2年6月12日「中小企業成長促進法」の成立によって、事業承継時に債務を借り換えるにあたり、経営者保証を不要とする「経営承継借換関連保証(仮称)」を創設。既存の保証限度枠(2.8億円)とは別の特別枠として2.8億円を保証。

2020年8月24日 内需主導の成長軌道へ戻すための需要喚起策 -骨太方針2020より-

政府の「経済財政運営と改革の基本方針(骨太方針2020)」が7月17日に閣議決定されました。方針では、感染拡大防止と経済活動を両立しながら、経済を内需主導の成長軌道に戻すための経済の下支えとして、次のような当面の需要喚起策を挙げています。
(1)個人消費の回復策
国内観光は裾野が広く地域経済を支えているため、旅行代金の割引キャンペーンなどを活用し需要喚起を図るとともに、9月からのマイナンバーカードを活用したポイント還元制度(マイナポイント)によって消費を下支えする。
(2)企業の設備投資支援
 生活物資や製造業に不可欠な部品の供給が特定の国・地域に依存しないための生産の多層化・多重化を支援し、危機時に柔軟に対応できる供給体制の構築や、デジタル化・リモート化への投資を協力に後押しする。
(3)ICT(情報通信技術)等による非接触・遠隔サービスの活用
 テレワークや宅配サービスの拡大などライフスタイルの急激な変化が、新型コロナ収束後も新たな日常として進むことが予想され、それにわが国の産業が的確に対応できるよう、業態変換を促す施策や規制改革を検討する。

2020年8月18日 路線価が公表!-新型コロナの影響による減額調整を検討-

相続税や贈与税において土地等の評価額の基準となる令和2年分の路線価が国税庁から7月1日に公表されました。
全国平均は前年比1.6%上昇し、5年連続の上昇となり、最高額は35年連続で東京・銀座の鳩居堂前の1㎡あたり4,592万円です。また、東京・浅草の雷門周辺が1㎡あたり403万円で5年前の約2.5倍になるなど、全国的にインバウンドの恩恵を受けた観光地の上昇が見られました。

しかし路線価は、本年1月1日を評価時点として前年の地価の変動などを考慮した算定のため、2月以降の新型コロナウイルス感染症の影響が反映されていません。そのため、今後、インバウンドで賑わった観光地や都市部繁華街などにおいて地価の大幅な下落が予想され、時価が路線価を下回るケースが想定されます。
国税庁は、国土交通省の都道府県地価調査(7月1日時点の地価を例年9月頃に公開)の状況などを踏まえ、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による経済活動の低迷で大幅な地価下落が見られる場合、減額調整を行うなど、納税者の申告の便宜を図る方法を幅広く検討するとしています。

2020年7月9日 柔軟な発想で、自社の技術を新たな価値の創造に

コロナ禍にあって、多くの中小企業が打撃を受けるなかで、事業の継続と従業員の生活を守るために頑張っている企業が、「中小企業白書2020」に取り上げられています。

学校の臨時休業に合わせて社内に子どもたちを受け入れる企業、自社の技術やアイデアによって新たな商品や事業の開発に取り組む企業など様々です。

① 商業施設等への来場者の中から体温の高い人を検知するために、施設の入口等に設置できる小型サーモグラフィカメラを使ったシステムを、自社技術の応用によって1週間で開発した。


② パソコン、スマホ、各種装置などに直接触れず、空中での指や手の動きによって操作できる技術を開発。エレベーターのボタンやドアノブに触れずに操作できるなど幅広い展開に期待が高まる。

③ 他者と接触が避けられる点を感染対策としてアピールした完全個室型のフィットネスジムが、コロナ禍のなかで新規顧客を増やしている。
その他にも、造り酒屋が除菌用アルコールを製造するなど、自社の技術等を日常の困りごとに結び付けるには柔軟な発想が必要です。新たな価値を生み出すことができないか、考えてみましょう。

2020年6月29日 感染防止対策の導入では、優遇税制や補助金を検討しよう

新型コロナウイルス感染防止のため、店舗、施設、オフィスにおいてソーシャルディスタンスに対応した新たな設備等を導入する場合は、優遇税制や補助金等の活用についても検討してみましょう。


(1)テレワーク等設備の導入で即時償却や税額控除(7%)が可能!
テレワーク等のためのデジタル化設備(機械装置、工具、器具備品、建物附属設備、ソフトウエア)が中小企業経営強化税制(優遇税制)の対象になりました。


(2)感染防止対策費も補助金の対象に
中小・小規模事業者の生産性向上を支援する「持続化補助金」「ものづくり補助金」「IT導入補助金」の助成率・上限額の引き上げのほか、特別枠と事業再開枠が設けられました。

【特別枠】補助対象経費の1/6以上が次のような費用であること
〇製品供給継続のための部品内製化や新規顧客の開拓などサプライチェーンの整備
〇EC販売、自動精算機、キャッシュレス決済などの設備・システムの導入費用
〇Web会議やテレワーク環境のためのシステム導入費用

【事業再開枠】業種別ガイドライン等に基づく以下の感染防止対策費も補助対象
〇消毒、マスク、清掃 〇アクリル板・透明ビニールシート等の飛沫防止対策
〇換気設備 〇クリーニング、使い捨てアメニティ用品、体温計・サーモカメラ、キーレスシステム等
〇顧客や従業員に感染防止を呼び掛ける掲示・アナウンス

※上記の補助金は、令和2年度内に複数回募集が行われます。最新情報に注意してください。

2020年6月22日 新型コロナ対策へ資金支援を強化「第2次補正予算のポイント」

補正予算としては過去最大31兆9,000億円となる第2次補正予算が6月12日に成立しました。中小企業の資金支援についての主な内容は次のとおりです。

(1)家賃支援給付金の創設~テナント事業者の家賃負担を軽減~
5月~12月の売上が、前年同期比で1か月において50%以上減少又は3か月連続で30%以上減少した事業者に原則として月額家賃の2/3(法人50万円・個人事業者25万円が上限)を半年間支給(特例と合わせて最大で法人100万円・個人50万円)

(2)雇用調整助成金の拡充~1日の上限額を1万5,000円に引き上げ~
   ・1人1日8,330円の支給上限額を1万5,000円に引き上げや、助成率の引き上げ
   ・手続の簡素化や、特例の適用期間を9月30日まで延長
(3)休業支援金制度の創設~従業員に直接給付~
   勤務先企業の資金繰り悪化などによって、休業手当を受け取れない従業員に対して、休業前の平均賃金の8割を国が直接給付
(4)持続化給付金~対象を拡大~
   第1次補正予算で対象から外れたフリーランス等を含めるなど対象を拡大
(5)政府系・民間金融機関による資金繰り支援の強化
   実質無利子融資の拡充をはじめ、財務基盤が悪化した事業者への資本性劣後ローンの供給など